「ニチガク」倒産問題 長年塾を運営してきた立場から
「ニチガク」の倒産が大きな問題になっています。
なにもこの時期に閉鎖しなくてもとは思いますが、長年塾を運営してきた立場
からすると、やはりどうにもならないほど追い詰められていたんだろうなと同情
もします。
少子化・オンライン塾などいろいろな状況はありますが、予備校を追い詰めたものは
やはり大学入試改革・高大接続だったと思います。
現在私立大学では入学者の40%が学校推薦型、20%が総合型選抜、一般受験が40%です。
大学受験は高校受験に比べると10倍くらい厳しく、また合格する可能性も低い。
生徒以上に保護者が各種推薦に流れるのはよく理解できます。
現在は学校推薦型で進学するのが一番の勝者でしょうか。
で、塾・予備校で受験勉強などをする必要性がなくなってしまったのです。
割合として10~20%対90~80%と踏んでいます。
この流れは当然高校受験にも影響します。指定校で行くなら、枠をたくさん持っている私立へ、
また高校のランクを落として評定平均を取りやすい高校へ。
大学受験がなくなれば高校受験もなくなります。
では、私はどうするか。
3~4年ほど前から、塾・予備校業界はもう終わりで、廃業できるところは廃業したほうがいいと
言ってきました。
うちのような極零細塾でも、何かあればかなりのまとまった資金が必要になります。
それで運転資金をコツコツ蓄えてきました。
また塾業では利益は出ないので、他で利益を出す必要があると思いました。
リーマンショック時に暴落した金融商品を買い、そちらで利益が出るようになっています。
大体私は今年後期高齢者になるので年金を受給していますし。
ということで資金的には全く問題はないです。
では何のために塾業をやっているのか。
文科省の高大接続・年内入試の流れにこの3年ほど完膚なきまでにやられました。
ことしは優秀な生徒が何人かいるので、ここで国公立受験に成功して一矢報いたい
と考えました。
もう一つはやはり生徒や講師と一緒にいると楽しいからです。
楽しくなかったら、やりがいがなくなったら、その時に私はやめます。
ことしの3月で廃業するところは多いと思います。
スムースに廃業できるところはむしろ勝ち組なのだろうと思います。
40年近くこの業界を見てきているので、淘汰されるほうがいいのではないかとさえ思います。
「いつまでもあると思うな、塾・予備校」